はじめに:AIで描けるのに“伝わらない”と感じたら
AIでイラストを作れるようになったけれど、
「なんだか量産型っぽくて、感情が伝わらない…」 「綺麗には仕上がるけれど、“心が動く絵”にならない…」
そんな悩みを感じたことはありませんか?
今のAIは、絵を描く「技術」は十分にあります。
しかし――
“何を描くか”以上に、「どんな雰囲気で描くか」を伝えないと、心に届く絵にはなりません。
この記事では、AIイラストに「温度感」や「感情」を宿すプロンプト術を、初心者向けにわかりやすく解説します。
AIで雰囲気のある絵は描けるのか?
結論:適切な指示をすれば可能です。
ただし、
❌「女の子が立っている」「夕方の部屋」だけの指示では不十分
⭕「静かな午後。柔らかな光に包まれて、少し寂しそうに佇む」という指示が必要です
AIに必要なのは“情報”ではなく、空気感(雰囲気)です。
印象に残るAIイラストを作る3つの要素
① 色彩(Color)
━ 感情の印象を決める
例)「静けさ」=灰みブルー/淡いパステル
② 光(Lighting)
━ 情景に物語を与える
例)夕暮れの斜光、柔らかな逆光、雨上がりの空気感
③ 言葉(雰囲気・Mood)
━ 絵に宿す意図や感情
例)「静かに感情が滲むように」「儚い希望」「心がほどける瞬間」
感情を届けるプロンプト構成
AIでイラストを生成するとき、多くの場合、
「夕方」「可愛い」「部屋」など 表面的なワードだけが入力されがちです。
しかしAIは、そこから “感情の温度” まで自動で理解することはできません。
そこで重要なのが、
①色彩 → ②光 → ③感情の順番で“雰囲気”を言語化すること。
この順でプロンプトを組み立てると、
「毎回違う仕上がりになる」「印象が曖昧」という失敗が大幅に減ります。
① 色彩を指定する(感情のベース作り)
色は感情の土台です。まず「どんな印象を伝えたいか」を色で決めましょう。
例:
柔らかいパステルカラーパレットの落ち着いた色調(soft pastel color palette muted tones)
淡い色調 静かな午後の色彩(Pale tones, the colors of a quiet afternoon)
→ 優しさ、落ち着き、懐かしさを伝える効果。
② 光を指定する(シーンの方向性)
光は感情の向き・時間帯を演出します。
例:
穏やかな夕方の光、窓から差し込む柔らかな日光、映画のような逆光(gentle evening light soft sunlight through the window cinematic backlighting)
→ 「終わりの余韻」「内省」「ドラマ性」を添える。
③ 感情・温度感を言葉で加える(AIへの意識付け)
ここを入れるかどうかで、AIの仕上がりが変わります。
例:
静かに感情が滲むように(As if emotions were quietly seeping out)
心の奥で灯る希望(Hope shining deep in my heart)
→ ここで初めて、AIの出力が「人の言葉」に近づく。
プロンプト基本構成
【描写内容】, 【色彩】, 【光】, “【感情・雰囲気】”, ultra detailed(超高精細), 16:9(サイズ), high resolution(高解像度)
完成プロンプト例(そのまま使用可能)
a young woman standing near the window,
soft pastel color palette,
gentle evening light,
“静かに感情が滲むように”,
ultra detailed, 16:9, cinematic
プロンプト補足(英語と日本語の使い分けについて)
AI画像生成では、プロンプトを英語で記述した方が、ニュアンスが安定しやすく、狙った雰囲気を表現できる傾向があります。
ただし、日本語の感情ワード(例:「静かな」「希望を感じる」「柔らかい光」など)は、雰囲気を補足する形で追加するのも有効です。
おすすめの使い方は、
基本構造は「英語」+ 補足的に「日本語の感情ワード」
🔍 ポイント
・英語 → AIに具体的に伝えるための指示
・日本語 → 感情・雰囲気を補足するための言葉
・単語で追加するだけでも効果あり
例: “nostalgic”, “静かな”, “hopeful”
👉 「技術的指示は英語」「感情表現は日本語」
このハイブリッド形式が、“印象に残るAIイラスト” を作るコツです。
よくある失敗パターン
・「女の子」「夕方」「部屋」など、描写対象だけ指定している
→ AIが毎回違う解釈をして、仕上がりが安定しない。
・「可愛い」「綺麗」など抽象的な印象だけ
→ 感情の向き(静か・切ない・希望など)が曖昧になりやすい。
・色や光の指定がない
→ 全体の印象がブレやすく、“雰囲気の統一感”が出ない。
重要なのは「何を描くか」より、「どんな温度で描くか」。
まとめ:AIは“感情も描ける”
色彩=感情の印象
光=物語の方向性
言葉=雰囲気の核
AIは「絵を描く道具」ではなく、
感情を映し出す鏡として使うと、作品に深みが生まれます。
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